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INTERVIEW    2014/08/25

One Degree: 女性社会起業家Diyaさんへのインタビュー

9年間、30のプロジェクトで3万人を支援している女性社会起業家

One Degree Initiative Foundationは、2005年にバングラデシュに設立されたソーシャル・エンタープライズで、若いボランティア7000名を動員して様々なプロジェクトに取り組み、社会起業家の支援も積極的に行っています。本日、創業者であり、代表のSabanaz Rashid Diyaさんにお会いし、お話を伺いました。

Cocoro : まず、One Degreeの活動内容について教えてください。

Diya : One Degreeは、若者による若者ための活動を推進しています。大きく二つの活動があり、一つは、若者のリーダシップを育成するボランティア・プログラムで、もう一つは社会起業家の支援活動です。ボランティア・プログラムでは、様々なプロジェクトに取り組み、若者達が教育や環境問題などに取り組む機会を提供しています。プロジェクトの特徴として、メンター制度を採用している点があります。メンター制度とは、プログラムの卒業生がメンターとして後身の指導を行い、「教わる」方から「教える」側へ成長することで、リーダーシップを育てる仕組みを取っています。

また、社会起業家の支援では、世界的に広がっているStart Up Weekendを2014年にバングラデシュで初めて主催するなど、若者の起業を支援する活動を展開しています。築いてきたネットワークを活用して、アイデアや技術を持つ若者の思いを形にするサポートを行っています。

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写真: One degreeの創業者の Diyaさん

Cocoro : ボランティアにはどのような活動があるのでしょうか?

Diya: 今まで30のプロジェクトに取り組んできました。教育の分野では、学校に行けなかったり、障害を抱えて思うように勉強ができない子供達を対象に、ボランティアの若者が英語や算数を教える小さな教室を全国に展開しました。また、有名なカーン・アカデミーの2000本の教育ビデオを、ボランティアの力を結集して全てベンガル語訳し、バングラデシュの学習カリキュラムに合わせた対照表も作りました。

他にも、環境問題に意識を持たせるための汚染地域のゴミ拾い、農村女性への自転車の提供、農村部への図書館の設立、観光案内所の設立、路線バスマップの作成など、多岐に渡る活動を行ってきました。

プロジェクトの中で若者達自らがアイディアを考え、実践していくことで成長していきます。このプログラムの卒業生は、MITやスタンフォードなどの欧米の大学院に進学するなど、優秀な若者を育てることに貢献しています。

Cocoro: 社会起業家の支援にはどのような活動があるのでしょうか?

Diya: 今までは、イベントを中心に行ってきましたが、いよいよ具体的な支援活動に軸足を移そうとしています。現在進めているのは、起業家のたまごとこれを支援する様々なステークホルダーが交流するためのセンター作りです。

起業家が必要とするのは資金だけではなく、それぞれの課題や困難を解決するための相談やメンタリングが必要だということが、起業家や関係者との徹底的な話し合いによって分かってきました。そこで、そういうコラボレーションが生まれる「物理的な」場が必要だと考えました。現在、カフェ、資料室、セミナールーム、コーワーキングスペースの複合施設をつくるべく、事業計画を立て、ファンドレージングを行っています。

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写真: Diyaさんへのインタビューの様子

Cocoro: One Degreeの今後の展開について教えてください。

Diya: 現在、One Degreeの活動は、バングラデシュの他、ネパール、アフガニスタン、カナダ、オーストラリアなどにも広がっています。今年は、日本にも訪問し、日本の多くの社会起業家の方々とお会いしました。先ほどのセンターも含め、もっと国際的なコラボレーションができればと思っています。

Cocoro: 日本に期待することは何でしょうか?

Diya: 日本の技術には興味があります。どんな技術があるのか、もっと知りたいです。また、日本の方々が、どのようなことに関心を持ち、どんな理由でバングラデシュの人々と一緒に仕事をしたいと思っているのか、是非、皆さんのお考えを知りたいと思います。

【編集後記】: Diyaさんはとても情熱的で力強く、ビジョンに溢れる女性起業家でした。どんどんOne Degreeのミッションや活動にのめり込んでしまう不思議な魅力を持っておられました。印象的だったのは、”小さな変化”が大きな変化を生みだすと、何回も繰り返していた点でした。誰にでも小さな変化を起こす事ができるし、それは大切な変化だと。今回はオフィスでのインタビューでしたが、是非、現場の活動も取材したいと思います。

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写真: DiyaさんとCocoroスタッフ

参考資料:

One Degree initiative Facebookページ

 

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