バングラデシュの電化製品製造業界が熱い!
バングラデシュの秋葉原と言われるタタリ・バザール(Thatari Bazar)という場所がダッカにあります。5000を超える電気製品の店が所狭しと街を埋め尽くしているところで、電気設備や工作機器からソケットやケーブル、ベアリングなどありとあらゆるものが揃い、消防設備の専門店まであります。ここに卸業者が集まり、全国の小売りに流れて行くそうです。このタタリ・バザールの喧噪の中にバングラデシュ電気製品製造業者協会(Bangladesh Electrical Merchandise Manufactures Association: BEMMA)の事務所がありました。今日はBEMMAにバングラデシュにおける電気製品の製造業についてのお話を伺いました。
現在、電気製品の製造業者は2500社ほどあると言われていますが、BEMMAは1000社近くの会員で構成され、そのほとんどが中小メーカーです。1985年に設立されたBEMMAは当初14社の会員でスタートし、バングラデシュ経済の成長とともに発展してきました。主力は電気ケーブルやソケットなどの周辺機材ですが、LED電球の製造などを行うメーカーも出てきているそうです。
実は家電製造業界の現状をインタビューしたいとアポイントを取り、訪問したのですが、驚いたことに協会の会長を始め、全役員が集まってくれました。聞くと、日本の企業や団体でBEMMAの事務所を訪問したのは弊社が始めてとのこと。日本への期待の大きさだと思いますが、大歓迎でした。
バングラデシュの電気製品需要は大きく伸びてきていて、毎年20%以上の伸びを示しているそうです。従来は中国等からの輸入品が多かったのですが、国内のメーカーも徐々に力をつけているとのこと。農村の無電化地域に家庭用の太陽光発電のシステムが現在300万件も設置されていますが、これらのシステムに使われるケーブルやソケットなどの部品の他、電灯や扇風機などの家電の需要も大きいようです。
品質でも台湾や東南アジアのものにひけを取らない製品を作れると胸を張っておられました。しかし、まだ輸出は少なく、海外マーケットの開拓がこれからの課題だそうです。今一番欲しいものは何かと聞いたところ、電気製品の検査機関だそうです。政府の検査機関があるそうですが、技術水準や設備が不十分で、輸出する際に必要な品質証明がきちんとできないのが、大きなネックになっているとの説明でした。
日本の市場への期待は大きなものがあります。日本の商社やメーカーで関心のあるところがあれば、是非紹介して欲しいとの声が多くありました。また、公的機関で日本の展示会に出品するサポートがあれば、大変助かるとの要望も多くの役員の方から頂きました。
バングラデシュの製造業に関しては、アパレル関係の日本への輸出が増え始め、最近では皮革や靴などの輸出も出てきていますが、電気製品の輸出もこれから視野に入ってくると思われます。製造や品質管理に関するトレーニングなど、まだまだ多くの投資が必要ですが、バングラデシュの国内市場も含め、電気製品製造は今後の注目です。