先日、ダッカ北部・アミバザールにある最終ゴミ処分場へ視察に行ってきました。ゴミ山そのものに対する衝撃もさることながら、個人的に最も強烈だった風景は、「ゴミ山で生きる人たち」でした。
彼らは、waste picker。ゴミの中でお金になりそうなものを拾って生計を立てています。ゴミ山の真ん中に、掘っ立て小屋を建て、そこで暮らしていました。殆どが子供です。トラックがゴミを捨て始めると、我先にとゴミに走り寄り、目ぼしいものが無いかとゴミを漁る。
素足の子も多いです。ガラスの破片などが混じっていると怪我をするでしょう。また、溜まったゴミから発生する有毒ガスの危険もあります。ゴミから拾った果物や野菜を、食料用に取り分けている子もいましたが、もちろん食中毒の危険もあります。お風呂にも入れず体にこびり付いた悪臭は、他の職業への選択肢を阻む事でしょう。
子供たちは、みんな元気でとても可愛かったですが彼らの父親や母親は誰も笑っていませんでした。カメラを向けるのがためらわれる程大人たちの表情は一様に暗く、子供たちの将来を考えた時に悲しくなりました。
この現状をどう変えていけるのか。
ゴミ山を出ても全く消えることが無い、自分の全身に染みついた悪臭を嗅ぎながら子供たちの事を考えた一日でした。