バングラデシュでは、精米と言えば蒸した籾を4、5日間程度天日干しして、手作業で行うものでした。しかし、人々のライフスタイルの変化によって、昔ながらの方法が大きく変わろうとしています。 「白く光った米を食べたい。」少し前までは、贅沢な願いでしかなかったことが、人々の暮らし向きが改善されるに従い、当たり前のことになってきました。そこで今、大きく伸びているビジネスが、機械による自動精米事業です。
小さな精米所でも、1日に40トン~50トンの精米を行うそうで、日々需要が増えているとのこと。 農家は脱穀したモミ米を大型精米事業者に運ぶと、コンピュータによって制御された精米機が瞬く間に精米を行い、消費者用にパックされて行きます。自動精米されたコメは、一般のコメに比べ、市場で1キロ当たり2タカ価値が上がるそうです。精米業者に支払う手数料が1トンあたり900タカということですので、1トンの精米で農家は1100タカの利益を上乗せすることができ、農家の所得向上にも繋がっています。
ダッカ市郊外では、このような精米業者のクラスター(同業者が集中する地域)が複数出来ており、精米した籾殻の有効利用も含め、今後も多くのビジネス・チャンスを期待できると思われます。