身体障害者・言語障害を対象にリハビリテーションや職業訓練を提供するNGO「CRP(Centre for the Rehabilitation of the Paralysed)に視察へ行ってきました。 全人口に占める障害者の率が10-15%と言われるバングラデシュ、人数にすると1500万人超。社会的文脈上、多くの障害者が社会的に隔離され非人間的な暮らしを余儀なくされてきました。
国も民間も彼らに対するサービスを提供しない中、35年前にNGOとしてリハビリ施設を設立し、今日まで運営し続けている設立者Valerieさんの魅力あふれる人柄や、障害者施設とは思えないような明るく開放的な雰囲気にとても感銘を受けました。 でも一番驚かされたのは、CRPが運営費の7割を事業収入で賄っているという事実です。事業収入の内訳は、患者の所得に比例して設定されている診察費や、自ら製造工場を持ち生産をしている車いすや義足などの販売費用。
今の悩みは患者が手動で車いすの重いタイヤを動かさなければいけないことで、このユーザービリティをあげる為に手動ではなく太陽光で動く車いすを開発できないか、と検討しているそうです。その為に今年は、インドやパキスタンなど近隣諸国を巻き込んだデザインコンテストの企画中ということ。もはやNGOというよりも起業家に近いですね。状況は徐々に変化しつつあるものの、日本を含む世界では、まだ寄付金や助成金で運営をしているNGOが殆どです。 『自立した事業運営が出来て初めてソーシャルインパクトを継続・拡大できる』そんな社会企業家のスタンスをCRPのValerieさんから学びました。