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REPORT    2014/05/22

最底辺の貧困層女性達が起業家精神で立ち上がる!

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ボリシャル中心街から約40kmの地点にあるモシャンはヒンズー教徒の小さな村です。ここにNGOなどからUltra Poor(極めて貧困)と分類された貧困層の女性たちが、起業家精神を発揮して立ち上がっているプロジェクトを視察しました。 Ultra Poorに分類された貧困層には、マイクロファイナンスも及びません。この地域は、毎年のように訪れるサイクロンなどの被害で、雨期は水浸しになり、貧困層が生きるには、非常に厳しい環境です。

特に、女性は様々な慣習やしきたりで自由に動けず、多くの制約の中で苦しい生活を強いられています。 このようなUltra Poorにある女性たちに、起業家精神を持たせ、少しでも自立させるためのプログラムに、NGOのiDE( International Development Enterprises )は取り組んでいます。

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生活もままならない女性に「起業家精神」とは、一見無理がある話です。「極めて困難な挑戦でした」とiDEのスタッフに言わしめたこの試みは、意外な展開を見せました。 まず、iDEが取り組んだのは、収穫した米を入れる袋に土を入れ、家庭菜園のように自宅で野菜を育て、市場で売ることでした。米を入れる袋を選んだのは、洪水時にもすぐに高いところへ女性でも運べるからです。そして、まさにこの洪水時にこそ、普通の畑の作物が被害を受けるので、疎開されて育てた野菜は売れ、現金収入が入る仕組みです。

自宅から自由に外出できない女性たちの「制約」を「強み」にかえたアイデアです。これは成功しました。 しかし実は、iDEが本当に狙っていたのは、この現金収入ではありません。それは「起業家精神」の醸成です。 自信をつけた女性たちは、グループで知恵を出し合い、現金収入を得る仕組みを自分たちで考え、実行するようになりました。iDEは、そのような女性たちを決してリードせず、側面から支援することに徹します。 彼女たちが目を付けたのが、精米事業。精米されないでいる農家の米を買い取り、精米前の手間のかかる工程(米を蒸して、乾かす作業)をメンバーが分担して自宅で行い、精米業者に販売することでした。精米業者の下働きをしていたメンバーのアイデアがきっかけです。 組織として動くことで、バイヤーの必要とするボリュームを確保することができ、自宅でできる強みを生かして、各メンバーに仕事を振ることができます。

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iDEは最初の仕入れ資金を提供したのみです。 操業1年を経過し、40万円程度の売り上げと5万円程度の利益を出したグループは、2年目に向けてのビジネス計画作りをしています。素晴らしいと思ったのは、派生ビジネスを自分たちで考えて、実行していることです。精米に適さない米を仕分けて飼料用に販売、倉庫を持てない農家のために各家庭に分担して米を保管する業務など、次から次に自分たちの強みを生かしてビジネスを広げ、取扱量も増えているとのこと。

多くの制約に負けずに、創造性を発揮する女性たちの粘り強さ、たくましさに、脱帽の思いでした。

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