ボリシャル中心部から車で北に1時間、ラクンディアを訪れました。ラクンディア周辺はお米やジュートの生産が盛んです。今日は、画期的な水汲みポンプがあると聞いて視察にやって来ました。
お米やジュートの生産にはたくさんの水が必要となりますが、ラクンディアでは乾季にこの水を、近くの川からポンプを使用して汲み上げます。しかしながら、従来のポンプは、燃費が悪い上に、無駄な手間が多く掛かるものでした。吸い上げる水の容量も小さく、遠くの田んぼに水を引くことが困難でした。
そこでiDEは、東南アジアで普及している軸流ポンプ(Axial Flow Pump、商品名”ジャンボポンプ”)の導入を推進しています。傾斜の少ないところで、大量に水を吸い上げることができ、耕耘機の動力を活用することで燃費を最大50%も削減することができる低価格の画期的な新型ポンプです。 今回の事例では、以前より40%燃料代を削減し、くみ上げる水量も70%増加したそうです。300m先までの40エーカー(農家70件分の畑に相当)の畑に水を供給することができたそうで、水路の作り方次第では、もっと広がるとのこと。
視察では、今年4月に新型ポンプを購入し、農家に水を供給するビジネスを行っている方にお話を聞く事ができました。お話によれば、4月だけで月に3万円の売上を稼いだとのこと。これは、旧型のポンプを使っていた昨年より20%の収入増です。コストを大幅に押さえることができたので、利益も上がっています。安定的な水の供給を受けられることで、近隣の農民も喜んでいると、とても嬉しそうに語ってくださいました。
このジャンボポンプの値段は、現在2万6000円。タイから輸入していますが、地元の大手企業が現地生産に乗り出す予定です。 ジャンボポンプは既に200台の導入実績を誇るとのこと。適切な技術が農業生産を変えていく、BOPビジネスの成功事例と言えます。