メヘディゴンジ郡は、1日1回のフェリーか、モーターボートでしか行けない、ボリシャルから50キロ離れた離島です。今回、ここで幼魚の養殖ビジネスを視察しました。
養殖ビジネスが、この島に導入されたのはわずか1年前。島の経済活性化のため、iDEが郡の行政機関の協力を取り付け、村々の関係者に対する普及活動やトレーニングを行い、事業が開始されました。養殖業に関連する人々が、団結して組織的に動くことで離島のハンディを克服しようとしています。
見学したのは、セマンティック・グループと呼ばれる15人のメンバーからなる村人達のミーティングです、セマンティック・グループは稚魚の生産者、幼魚の販売人、都市部へのトレーダーなど養殖ビジネスに関わる全てのステークホルダーから構成されています。
会議では、市場の需要分析を行い、年間の生産量の目標を決め、各村の生産キャパシティに応じて、生産量の割り振りを行っていました。また、昨年の問題点を挙げて、その対策についても専門家の意見を聞くなどの話し合いがなされています。この話し合いは、すべて村人達が仕切って進めており、iDEは問題がある場合のサポートに止めているとのこと。市場や関係者の情報を相互に共有することに主眼が置かれているとの説明でした。
幼魚が実際に養殖されている池も見せて頂きました。郡の土地を養殖の池として使うことで借り受け、ティラピアやなまず、コイなどの稚魚が養殖されています。使うエサ、池に入れる稚魚の種類と数、大きさの分類など、様々な試行錯誤を行いながら、これらの知見をメンバーと共有しているそうです。
操業1年とは思えないほどの充実ぶりで驚きましたが、iDEの案内役の方は「ビジネスで自立できると自信がつけば、あとは自然とシステムが育っていく」と語っておられましたが、『持続的なビジネスの根本とは何か』を現場から改めて’気づき’を得た視察でした。