ビル・ゲーツが推進する農村の新型トイレの普及が始まっていると聞き、現場を視察して参りました。 この新型トイレは、バングラデシュの農村のために、米国のトイレメーカーのトップであるアメリカン・スタンダードがデザインし、現地の大手メーカーRFL社が現地で製造しています。少ない水で排泄物を流す画期的な便器と排泄物の処理を衛生的に行う仕組みを組み合わせたもので、洪水の多いこの地域で排泄物が生活用水に流れ込まないような工夫がなされています。
この事業を推進しているのがビル&メリンダ・ゲーツ財団。ユニセフやスイスの開発機関であるSDCとのパートナーシップの下、iDEが企画、運営を行っています。米国のトップ・メーカーの設計を導入し、地元の大手メーカーで生産体制を整え、草の根の販売体制を構築し、現場での組み立て作業を行う人員のトレーニングを行うなど、商品が農村において大きなスケールで広がるための施策が丁寧に組み合わされており、ビジネスデザインとアレンジする能力に感銘を受けました。 日本の企業がBOPビジネスを進める上での、理想的なモデルの一つになると思います。