研修プログラムの三日目は、バングラデシュの教育支援を行う新旧の団体を視察しました。
最初の団体は、1979年に一人の貧しい子供の教育支援から始まったSuroviというNGOで、スラムに住む子供や貧しい家庭の子供達を対象に正規の教育を提供しています。現在、ダッカを中心に13の学校を運営し、小学校1年生から前期中等教育(日本で言えば中学2年程度)までの15000人の子供達に対して正規教育を無料で与えています。またUNICEFとの共同プロジェクトで通常の学校をドロップアウトした子供達のための学習センターを156カ所運営し、新たに200カ所の増加を計画しているとのこと。 子供達は、過酷な状況で生活しているにもかかわらず、とても礼儀正しく、明るく活発でした。教科だけでなく、礼儀や人を思いやる気持ちに力を入れているそうで、トタン一枚の下にある青空教室で熱心に勉強する子供達の表情は、学ぶことの本当の喜びを見る思いでした。
次はTeach for Americaのモデルを導入したTeach for Bangladeshを訪問。2012年に創設した代表の方にお会いし、設立の経緯や現在の進捗などを伺いました。オフィスの様子も、スタッフの構成もイノベーティブなモデルにふさわしく、新しい息吹を感じるものでした。 優秀な学生を厳しい選考基準でフェローに採用し、2年間公立の小学校での先生に派遣するプログラムは、教育の現場の質の向上と共に、派遣された学生の問題解決能力やリーダーシップ育成に資するもので、Teach for Bangladeshは多くの学生の応募とそれを支援する企業を集めることで、今大きな注目を集めています。
方法に新旧はあるものの、恵まれない子供達の教育を支援する思いや熱意は強く伝わり、心を動かされました。それぞれにまだ多様な課題を抱えており、日本の方々とのコラボレーションが何らかの形で繋げることができればといいな、と思います。